保険金の請求から支払いの流れ

保険会社により手順の違いはありますが、
大抵の損害保険会社では、
事故の加害者であった場合には、
事故当日に電話で連絡をした時からサポートをしてくれます。

多く保険会社でで共通してサポートしてくれる内容としては、
保険契約者(自動車の所有者)に代わって
事故の相手の修理工場や病院等と連絡、
事故の相手の怪我の状況や破損状況を随時報告したり、
保険金の請求のために必要な書類の送付などの対応をしてくれます。

この先に重要になってくるのが、
弁護士費用特約ですが、
事故の相手との示談交渉を行えるのは、
自分に過失割合が少しでもある場合(加害者である場合)に限る保険会社が多いです。

多くの保険会社で対物賠償保険や
対人賠償保険の対象事故にのみ示談交渉をつけているので、
弁護士費用特約がついていない保険に加入している方で、
完全に相手が100%悪い事故だと分かっているときは、
保険会社が示談交渉に応じてくれないこともあります。

弁護士費用特約が付いている保険に加入していれば、
相手が100%悪い事故であっても、示談交渉をしてくれるので安心です。

保険請求時に用意する書類について

一般的に、自分で用意する書類としては、
保険金(損害賠償額)支払請求書、
診断書・診療報酬明細、休業損害証明書などがあります。

保険金請求書とは、
保険会社から事故後に送られてくる書類になります。
必要な部分に記入し返信する形で提出します。

原則として保険金請求者は
事故を起こされた人(被保険者)になるので、
未成年者が事故を起こした場合、
親権者の名前で記入することになります。

家族のだれかが事故を起こしたといった場合など、
誰の名前を記入するべきかなどで迷うようなことがあれば、
保険会社に連絡してから記入すると安心です。

事故証明書とは、
事故の概略を簡潔にまとめた報告書ですが、
交通事故証明書と事故発生状況報告書については、
保険会社のほうで代行して取ってきてくれるところもあります。

他にも診断書や示談書については、
請求金額の大小によっては不要であることが
特徴の保険会社もあります。

示談書については、
事故直後に決めたがる人も多いのですが、
素人が安易に決めてしまうと
不利な条件に気づかなかったりする場合も考えられます。

一度示談してしまうと、
後から示談のやり直しをするということは、
非常に難しいので、
必ず保険会社とのやりとりをしてから
保険会社の代行サービスなどにより
間に入ってもらってから決めたほうがよさそうです。

保険会社の調査について

一般的に事故の相手方が負傷をした場合、
診断書や、治療に付随する入院の諸費用などの調査は、
保険会社が行ってくれます。

また、相手方の休業損害証明書や被害物の写真、
車や破損した物の修理見積書なども準備してくれます。

自損事故保険や車両保険に加入していれば、
自分の車の修理費なども保険の対象となる可能性がるので、
そのときは自分の車の損傷状態を確認し
保険金の支払いの対象となる事故かどうかを調査してくれます。

そのとき、修理工場に修理内容について問い合わせたりして、
修理費の額を決定して、修理費を契約者に連絡し、
保険金請求の意思確認を行うのも保険会社の役割で、
修理費を請求する意思を契約者が示した場合には、
修理費を支払ってくれます。

もし交通事故ではなく
車上荒らしや車両が盗難された場合などにも、
警察へ盗難届を提出した後で、
保険会社は盗難時の状況・盗難現場等について調査をします。

この場合、保険金の支払い対象になると確認ができたら、
保険金を支払う手続が始まります。

もしも保険金の支払いまでに車が発見された時には、
盗難期間中に生じた車両の損傷状態を調査して保険金を決めています。

いずれの場合も、保険会社は
修理工場や警察署などに連絡を取ってくれるので、
自分がどこの修理会社に車を預けているだとか、
どこの警察署に事情聴取してもらったといった情報は、
保険会社に速やかに伝えるほうが良いでしょう。

自算会の調査結果報告

自算会は損害保険料率算出機構という名前の機構です。
料率算出業務や自賠責損害調査業務などを行っています。

自賠責損害調査業務に関して言えば、
自賠責保険は加入が義務付けられている強制保険という特性を持っているので、
被害者救済的な性格が強い保険だと言えます。

そういった部分から、
迅速かつ公平な調査が行われるために
こちらの機構では、損害保険会社等からの依頼によって
損害調査を行い、その結果を保険会社に報告するという
調査組織としての面も持っています。

また、国土交通大臣および内閣総理大臣が
「自動車損害賠償保障法」に基づいて
「自動車損害賠償責任保険支払基準」
という一定の統一的な基準を定めていますが、
この基準に基づいて「公正な」支払基準に従った
保険金等の支払いを行っています。

保険金支払額の決定、支払いへ

事故原因や損害状況の確認が終わると、
事故相手の保険会社と
自分の加入している保険会社が話し合って
過失割合などを算定してくれるので、
自分の加入している保険の中から
支払いができる金額というのもだいたい決まってきます。

保険会社の提示した保険金に
納得ができない場合には、
不服申し立てをすることも可能ですが、

多くの場合はその必要はないと思われるので、
示談の交渉が終わった時点で保険会社は
保険金の額や払い込み日などを連絡してくれたりします。

事故対応早速さを売りにしている保険会社もありますが、
基本的には保険会社への必要書類の送付など、
事故当事者の準備が遅くなれば、
支払いのために必要な調査も遅れることになります。

そのため、保険会社から請求された書類は、
できる限り早く準備して送付しましょう。